石川道子「そうだったのか!発達障害の世界」📕発達障害の取扱説明書の決定版!

本の紹介

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発達障害児の取り扱い説明書として最も優れた1冊です!

どんな人にオススメ?

発達障害の取扱説明書を1冊だけ読むならこれ!ということで他の本を読んだことがなく、最初の1冊どれにしようと考えてる方。

結論から言うと喋れない子供が発語する方法は書いていないので、発語を促す方法を探している方向けではありません。

発語以外の自閉症含む全ての神経発達症の特徴が平易かつ具体的にまとめてあります。

「発達障害を克服することではなく、理解し共感するための本」です。

著者はどんな人?

小児科医。

アスペ・エルデの会の活動に関わる。

本のどこが役立った?

発達障害があるという眼で支えることを具体例で示しているところがわかりやすいです。

ー定型発達児であれば「叱る」ところを発達障害児であれば「わかりやすく指示する」。「とにかくみんなと一緒に行動させる」のではなく「調子をみて一緒に行動できる時だけ」にする。

ー定型発達の子供と異なり、姿勢を保つ、物を操作する、物を食べる発達で既につまづいている。

ー生まれつきの脳の情報処理が違うため、視覚優位、パーツで捉える、2つ以上の情報処理が難しい(書いて覚える、座って聞くなど)、記憶力がいい、感覚過敏、パニックを起こしやすい特性がある。

shiro君もパニックを起こすことがよくあり、その時は泣きながら金縛りのように身体が動かなくなります。パニックについての解説がわかりやすく詳細に書かれており、パニックの理解にとても役立ちました。

また、p58「話しことばの獲得」で、言葉が獲得できない理由も書かれており、なるほど!と思ったり。(ただし、じゃあどうすれば話せるようになるかについての記述はありません😅)

神経発達症について数ある本の中で最も平易かつ具体的に特性を解説している本なので、他の本は読まずにこの本1冊読めば良いような内容の濃い本です。身近な人に子供を理解して欲しいときにはこの本を読んでもらうよう勧めるのに最適な一冊という感じです。

この本で特筆すべきなのは「集団の中にとりあえず入れることの不利」(p150)について著書が力を入れて執筆している部分です。

他の内容も全て素晴らしいのですが特に集団行動についての考察が素晴らしいです。

次回またよろしくお願い致します!


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