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喋るために唇を動かすなど基本的な動作ですら思うようにならない自閉症者の苦悩について学べる本です。
どんな人にオススメ?
無発語(系)自閉症者自身が何を考えているか知りたい人。
自閉症者を見る世間の目と本人から見た自閉症者の姿に乖離があることに気づき始めた人。
自閉症者本人。
著者はどんな人?
無発語の自閉症者本人であるイド・ケダーさん。
1996年生まれの28歳。
ソマ氏よりRPMを受け、意思疎通の道が大きく開かれ、著書執筆に至る。
ホームページもあります。
今回ご紹介する本の他に「in two worlds」という最新著書もあります。現在はKindleUnlimitedで無料です。
本のどこが役立った?
東田直樹さんと同じく重度の自閉症としてご本人が「こういう言動をとっているけれどその時の本人はどういう気持ちなのか?」について具体的に解説しているところが役立ちました。
例えば相手の目を見られない理由として、目を見ていないことにそもそも気づかないし、目を見たら不安感が高まるから。そして相手の目を見ない方がちゃんと耳を傾けることができるから、と書かれています。
shiro君も同じ状況がよくあるので、これは目を見ない方が声がひろいやすいんだなあと想像するのに役立つ感じです。
全体的な感想ですが、
ー自閉症者の身体は裏で動いているタスクが多すぎて動作の鈍いパソコンのような感じ(懐かしのWindowsVistaっぽい)
ー定型発達者が未来の全自動運転車を運転しているのに対して自閉症者はマニュアルの特殊車を運転しているような感じ
こういう言葉を発しよう、こういう行動を起こそうと思っても肉体が全く違う言動をとってしまう、という自閉症者は常にその意図せぬ言動をもって世間に評価されてしまうという悲しい現状。
自閉症者は脳の機能野間の連絡が悪いことが解明されてきているので言われてみれば納得です。
オーラが見えるといった共感覚についても記述があります。共感覚については数字に色が見える知人がいたのでちょっと親しみのある話題でもありました。
「赤ちゃん言葉で話しかけないで欲しい。自閉症の子にも普通に年相応の態度で話しかけて欲しい。年相応の授業を受けさせて欲しい。」というイドさんと全く同じ訴えを東田さんもされていました。その年齢相応の待遇を受けたいと思っている彼らの声にみんなが気づける世界であったらいいのにと思います。
「ぼくの身体とぼくの脳は正常につながっておらず、そのために僕の脳は体にどう動けば良いのか伝えるのが苦手です。」というイドさんは「子どもたちに身体と脳のつながりを良くするエクササイズを教えてほしい」と書いていらっしゃってフィットネスや筋力強化を勧めています。
自分もそんな点に心を配ってshiro君や他の自閉症者の皆さんと関わっていけたらと思ってます!
次回またよろしくお願い致します!
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